揺曳する境界

生きてるうちに私が感じた事物をデータ化した何か。

喫煙

喫煙について、私は1年前くらいから吸っている。

いつだったか親友が飲食店にてhighlightを吸っているのを目にし私が「一本ちょうだい」と言ったのがきっかけだった。

「一本ちょうだい」という自分の声は震えていたのを思い出す。

私は煙草自体に殆ど興味はなかったしむしろ偏見が多かったように思う。そんなもの吸う奴は落ちぶれた奴で、全ての悪だとも思っていた。もちろんそう母親から教育されていたし、父の煙草を咎める様子も見ていたし。どのように身体に害を及ぼすかというのも学校から教育されていた。

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親友は小学時代からの旧友で幼馴染でもある。
正義感が強く、私の尊敬する友人の一人だ。
時には、正義感が行き過ぎてハラハラと心配になることも多々あった、程彼女は正義を貫いた。highlightをパッケージごと愛し、何より17ミリを愛している。

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私は今母の実家で母と母の兄と祖母と生活している。母の兄はとても心優しく穏やかな人で私を昔から何よりも可愛がってくれた。
頑張り屋で仕事もかなり遅くまでやっている。ダメな所をあげるとすれば、少しカっとなるところや優しすぎる事くらいだろう。
彼はヘビースモーカー気味だが煙草よりアルコールを求める事が多く毎回ゴミ袋の中のビールの抜け殻の多さに驚くくらいだ。

私には、彼らが喫煙に至ってしまった理由がなんとなくわかる。しかし、どんな思いなのかまでは到底理解できないのだ。しかも、禁煙ファシストとでも言うような行き過ぎた禁煙ナチの迫害のようなものを受け続けても尚吸い続ける母の兄については、最初は全くと言っていい程分からなかったのだから。否、知ろうともしなかったのかもしれない。

時には煙草代をせがまれた時があった。
本当に疎ましく思ってしまった。

しかし、今となっては少し彼らが分かった気がする。完全では無いだろうけれど。そうやって自分を慰めているのも分かっている。
そういう境地なのだ。
変わっていく彼らを少しでも理解したいがために、始まった私の喫煙は、自分の為、最後まで目的が変わる事は無いだろう。