完全に消える事が出来なくなったこのまちで
完全に消える事が許されないような
血眼で脅迫的な
飢えているような
それは
感じる度に震える
自分は間違っているかもしれないけど
怯えてしまうのは事実であり
このままでいいと
誰も時に身を委ねなくなった
母は自分に重ねたそれを
もう描きそうもないし
どこかで願ってしまう
醒めることを。
内と内と擦り合わせる
擦り合わせる
擦り合わせる
手のひらの柔らかい部分同士が触れ合う
他者と握手をする
皮膚と皮膚 肉と肉 脂肪と脂肪が密着固定される。内部の柔らかいところが絡んで擦れ合う、舌と舌 性器と性器
信頼と信頼と孤独が成せる技だ …
他者の時間が付着する
古本を買った。
400円だった。
多少汚れててもあまり気にならないタイプ
目的は字を読む事だから。とか思ってたけど最近は逆に汚れてる本が好きだったりする。
手放す予定は無かったのか?と思うくらいに思いっきりマーカー線引っ張られてたり、紙の上部を三角形に折り曲げられていたりする。なんか他者の視点って面白い。そこマークするんだ…みたいな時もあるし。
よしもとばななか誰かが、書いた物語の主人公が、「自分の貸した好きな本が食べカスや紅茶の跡によって汚されているのがたまらなくダメ」みたいな事が書かれていた。
あー自分の好きな本だったら別なのかな。でも、そういうのがあったとしても私は逆に意図せず誰かの時間が付着してしまったような本を愛おしく感じると思う。その本を通して誰かの存在を感じられる。そういう予期せぬ事が活字以外にも待ち受けている可能性がある、中古本。
自分でも変だと思う
図書館に閉館ギリギリに滑り込んだら、いつも間隔開けずに隣、知らない者同士ぎゅうぎゅうな自転車達が、間隔開けてぽつぽつと勉強や本に夢中な持ち主達を待っていた。従順だなって思ってしまって、変だけど、そのカゴごとぽつんと首を擡げてる自転車を見て、待たなくても良いんだよって言いそうになった。でも鍵は主人が持ってるから、何処へも行けないようにされてた。入り口付近に椅子とテーブルがあって、高校生の男子と女子が、適度な距離ででもけっこう近くで話しながら勉強してた。エアコン効いてるんだから中で勉強すりゃいいのにって思ったけど、館内は19時までの時間制限があるし中じゃ静かにしないといけないし話せないから暑いの我慢して外で勉強してんのかなって思った。自転車とカップルのその距離と光景が焼き付いて離れなくてなんか不思議な時間を体験した気がした。なんともいえないけど。