揺曳する境界

生きてるうちに私が感じた事物をデータ化した何か。

ショッキングなできごと

タイトル、読んで事の如く、忘れられないショッキングな出来事があった。

授業で東京へ行っていた時の事。

 

親戚の家に宿泊させてもらっており、移動も車を出してくれた。

お目当てのギャラリーは少し距離があり、久しぶりにいろんな事を話しながらドライブを楽しんだ。話の流れで、東京へ向かう数日前に起こった山手線のケーブルが燃えた事件の話題になった。私は、ここに来るときまだ運転再開しないんじゃないかという不安があった等と伝えると、いきなり、

「ああいうことするのは、全部在日が絡んでるんだよね。」と言われた。私は耳を疑ったが、彼はスルスルと話を続けた。

「韓国へはいかないほうがいいよ」

「事件には殆ど在日による憎悪が原因、在日じゃなきゃできない発想だ」

など、次から次へと言葉が出てくる。私は、本当に悲しくなった信頼を置いていただけあって、聡明な人のイメージが崩壊してしまいそうだった。何故そこまで根拠の無い自信があるのか。私には分からなかった。

 

モヤモヤしたまま迎えた2日目の東京国立新美術館で見た展示は、タイムリーなことに韓国のアーティストと日本のアーティストの展示だった。韓国で起こってることを冷静に捉え作品に落とし込む彼らの姿勢に私は感銘を受けた。日本への感情など、テーマにすることなく彼らのまなざしで捉えたものが、すこーんと飛び抜けているようにさえも見えた。まるで脇目もふらず、日本の間を風のように通過する感じ。

 

しかし私はこの展示が本当に大好きだった。でも、帰宅して彼には感想を話せなかった。のちのち、私が推測したことに当てはまったので、あえて言うまいとも思ったのだ。だがショッキングなものはショッキングなのだ。

 

あなたの在日に対するその嫌悪感はなんやの?